「豪玉万里紀行」紀行 第8号
□■□ 「豪玉万里紀行」紀行 □■□
旅を旅し、紀行を紀行に綴ってお届けします。
今年の豪玉は例年より遅い時期の公演となりましたが、厳しい夏を越えて、なんとか辿り着きました。今年も無事公演を終えられた事を感謝しつつ、第8号をお送りします。
----【 目次 】------------------
公演直後報告
・旅の仲間たちのつぶやき
・今後の旅程
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▽△ 旅の仲間たちのつぶやき ▽△
公演を終えたメインキャストと演出の感想。言い訳ではありません。
◎衣川佳子
基本的に人間は誰かにかまってもらいたいのです。世話をして欲しいのです。けれど、この慌ただしい日常生活の中ではそうそうかまってなどもらえなくて。だから、だからこそ幼かったあの頃のように(母親の母性に包まれていたあの頃のように)かまって欲しい私のことを…。というようなワガママもここに集まる人たちは本当に許してくれるのでした。皆等しくワガママであり、それ以上に寛容でもありました。
また役者として使っていただけるのでしょうか。こんな気分になっている自分に驚きをかくせません。
みなさま本当にありがとうございました。
◎山本慎也
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※約10年ぶりの役者復帰の緊張感のため、本番前は小動物のように怯えていた彼は、ノーコメントのようです。
◎武谷嘉之
「いかけしごむ」にご来場ありがとうございました。
今回は豪玉万里紀行U結成以来の中心的存在である中村一平を欠いたという意味で大変厳しい公演でした。まぁ本人としてはもっと「今回は出演しないんですか」と声をかけてもらえると期待して靴袋を配っていたようです。もちろん残念ながらその期待は裏切られましたが。
中村の期待はさておいて、来ていただいた方々の期待に応えられたかどうかという点については大いに反省すべきところがあります。別役実の作品を豪玉としてオリジナル化するということについてそれなりに自負がありました。しかしながら今回の作品は完全に別役の世界に飲み込まれ、ところどころ、それこそ子供が親に反抗するように、その世界を飛び出したふりをしたに過ぎない結果に終わってしまいました。忸怩たる思いです。単純に笑えたかどうかというような意味でも不十分でした。
見てもらった方々がどう思われたかをいったん棚上げしたとしても、私自身が満足できたかどうかという点で言えば、はっきりと不満でありました。以前のもっととんがっていた自分であれば「公演を中止にするべきではないか」と考えていたと思いますが、そういう意味では、なまくらになっていたのだと反省しています。「1回1回、一期一会で」「誠心誠意」といいながら、どこか「まぁまぁ見られるものになるのではないか」という甘えがありました。
役者にも迷惑をかけたと思います。メインの二人は本当によくがんばったと思います。しかし舞台というのは個人競技のスポーツではないので、それぞれがそれぞれのやりようで一所懸命にやればよいものになるというわけではありません。参加する役者、スタッフが一点に向かって突破しなければ新しい世界を作り上げることはできません。そういう意味では演出というのは覚悟のいる仕事です。もっともっとよい舞台になるはずだったというのが今回の舞台を終えて一人思うことです。
次回作は「改心をして」「正道に立ち戻って」がんばろうと思っています。ふらふらとしながらも歩き続けます。どうぞよろしくお願いします。
△▽△ 今後の旅程 ▽△▽
来年の事を言うと鬼が笑うそうですが、笑わば笑え。
豪玉は次回作として、第24回大阪女性文学賞受賞作品「連結コイル」(海東セラ著)の舞台化を予定しております。
公演時期について武谷は「来年のできるだけ早い時期にやりたい」と言っていますが、豪玉の事ですから、どうなるかは分かりません。決定次第、このメルマガでお知らせいたします。
▽△▽△▽ 編集後記 ▽△▽△▽
公演中、今シーズン初ホッカイロを背中に張りました。季節の移ろうのは早いものです。
ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。
感想やご意見などお待ちしております。
豪玉万里紀行のホームページ
http://homepage2.nifty.com/gotama2/
お暇なら覗いてみてください。
江間 敦子